対振り持久戦の天守閣美濃を見ていきましょう。
天守閣美濃は、プロ棋士が勝利というよりも格式を重視していた時、「対抗形は急戦だ!穴熊なんて見苦しいし、玉頭位取りや五筋位取りなんてもってのほかだ!」という時代背景で急戦を苦手としていた棋士が(仕方なく?)指していた戦法です。
★ポイント★
天守閣美濃は四枚美濃や銀冠に発展することで仕掛けるタイミングをはかることができます。
囲いについて詳しくはこちら
天守閣美濃
このように、玉を三段目に囲うことに特徴があります。 横からの攻めに非常に強く、穴熊よりも玉が遠いように感じますよね。
しかし、その分上部からの攻めに弱い形になっています。そこで、振り飛車は美濃囲いをいつものように囲うのではなく、一段低い形に構えて一気に攻め込むことを考えました。
近年は玉を先に移動させてから銀を上がるというような美濃囲いの組み方をしていますが、そうではなく銀を先に上がるということをしていました。
しかし、せっかく上部から攻め込もうとしてもこのように四枚美濃に囲われてしまうと非常に厄介なためそれを阻止するための駒組みを考えなくてはいけません。そこで…
桂馬をはねて、6五歩として位を維持していますよね。これが、振り飛車側の対天守閣美濃の最も重要なポイントです。 逆に言うと、居飛車が四枚美濃にできれば有利に働くということです。
なんとこのような指し方まで登場しています。
手数をかけてでも位を取らせないということですね。
天守閣美濃は昔からある戦法だけに将棋のエッセンスがたくさんあります。ぜひ試してみてください。
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